大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(オ)1457 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人水谷嘉吉の上告理由第一点および第五点について。

原判決の引用する第一審判決が、訴外Dは、上告会社別府支部長代理として、右

会社を代理して一般人より住宅建設の申込を受け付け、着手金、月賦掛込金を領収

する権限を有する旨認定していることは、判文上明らかであり、民法一一〇条を適

用することのできる要件である基本代理権は、権限外の行為と同一の種類性質のも

のであることを必要とせず、また、同条の正当理由の原因であることを要しないか

ら、訴外Dの右代理権をもつて、同人が被上告会社との間に締結した本件契約につ

き民法一一〇条を適用することのできる要件である代理権とすることを妨げない。

原判決に所論の違法がなく、論旨は採用できない。

同第二点ないし第四点について。

被上告会社代表者Eは、訴外Dと本件契約を締結するに当り、右Dが本件契約締

結の代理権を有するものと信じたこと、および同人が右のように信ずるについて正

当理由があるか否かについて原判決および第一審判決の認定した事実は、それぞれ

各判決挙示の証拠により肯認できるところ、右事実関係の下において、右の点に正

当理由があるとする原審の判断は正当である。原判決に所論の違法はなく、論旨は

採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 下 村 三 郎

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裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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